日本患者会情報センター

診療ガイドライン その2


診療ガイドライン その2

日本小児アレルギー学会
患者向け診療ガイドライン患者委員選定の手続きに関する報告

日本小児アレルギー学会(森川昭廣理事長)では、このほど小児ぜんそくの患者向け診療ガイドライン作成の場に参加する患者・支援者を選ぶにあたり「診療ガイドライン作成過程への患者・支援者参画のためのガイドライン(PIGL)」の手続きにもとづき、患者委員の選定を行いました。これは厚生労働科学研究班*(以下、中山班)との共同事業で研究の一環として行われたものですが、日本で初めて「公平性」と「透明性」を担保しながら患者委員を選定した第1例目です。どのような手続きにもとづき、どう選んでいったのかをご報告します。

PIGLの手続きにもとづき、まず「作成委員会支援チーム」を作りました。メンバーは中山班に所属する日本患者会情報センターのスタッフで構成されています。作成委員会支援チームは、日本小児アレルギー学会の診療ガイドライン作成委員会と協力・連携しながら、主体的にかかわり、患者委員選定の手続きを進めていきました。

作成委員会支援チームは、まず患者団体を選定するためにインターネット検索を活用し、41団体を抽出。次にアンケート調査を行い、患者団体としての運営機能および患者向け診療ガイドライン作成に参加する意思の確認を行いました。患者団体の選定にあたっては、9項目にわたる評価基準を設定し、点数の高い順から作成参加に強い意欲を示す4団体を選びました。

そして、日本小児アレルギー学会が求める「患者・支援者委員の要件」および「患者向け診療ガイドライン作成にかかる業務内容と業務量等」を提示したうえで、選定された4団体に対して患者・支援者委員候補者の推薦を依頼しました。各団体から1人ずつ推薦された4名の患者・支援者委員候補に対しては個別面接を行い、12項目の評価項目に従い、その適性を審査いたしました。面接には、オブザーバーとして日本小児アレルギー学会診療ガイドライン作成委員会の委員長も同席しました。

審査の結果、4名の患者・支援者委員が選定され、2008年12月の完成をめざして患者向け診療ガイドライン「患者さんとその家族のためのぜんそくハンドブック2008」の作成が今年5月から始まっています。

*厚生労働科学研究補助金 医療技術評価総合研究事業「根拠に基づく診療ガイドライン」の適切な作成・利用・普及に向けた基盤整備に関する研究:患者・医療者の参加推進に向けて(主任研究者 中山健夫 京都大学大学院医学研究科)

文/渡辺千鶴 (掲載日2007年11月15日)

報告書の全文はこちらからお読みいただけます。

PDFファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社から無償提供されている
Acrobat Readerが必要です。くわしくはアドビシステムズ株式会社のサイトをご覧ください。

ページのTOPに戻る